誘 いざな ネタバレ 【浪乃だけじゃない、累なった過去の罪が村を壊した】

こんにちは、ちどりです。

今日は、「累」の前日譚である

の紹介です。

 

 

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 収録話

第一章『丙午

第二章『いざな

第三章『白永山

第四章『

第五章『千草

第六章『日紅の巫女

第七章『ふゆ

 

チェックポイント

  • 朱磐神楽で”朱による顔の交換“について言及されていた
  • 海道凪という男に、浪乃もいざなも恋をした
  • “朱の入手”も”顔の交換”も、はじまりは純粋な好意ゆえだった

 

 

あらすじ

 

朱磐村には、

「丙午に産まれる醜い子は

鬼女の生まれ変わりであるから殺せ」

の言い伝えがあった。

 

 

丙午の年、

醜女だった槻かづらが

朱砂野次男に手籠めにされたため妊娠。

秘密裏に出産をする。

 

 

助産師と呼ばれたのが、平坂千草。

子の醜さを確認したかづらは

千草にいざなを託し、焼身自殺する。

 

 

千草はいざなを隠して

12歳まで育て上げる。

 

 

外を見たかったいざなは、

千草が1日家を空ける正月に

脱走する。

 

 

その日は、

舞というものを知り、

朱磐神楽を知り、

同い年の美少女、浪乃を知り、

自分が、石もて追われるほど

醜いと知り、

そして、

生きていてはいけないのだと

知った日になった。

 

 

そのすぐあと、

朱砂野・槻両家の捜索をかわすため、

いざなは千種の家の裏山であり

村の禁足地である白永山に隠れる。

 

 

千種は一時的措置と考えていたが

いざなは強引に移り住んだ。

 

 

いざなは、他人に怯えたまま18になった。

老いた千種は病から視力を失った。

その手足となったのが、

そのころ村に来た朱砂野欣吾だった。

 

 

千種に引き合わされるいざなと欣吾。

 

 

ある日、いざなは

フィールドワークに来た青年、

凪をみかけ、恋に落ちる。

 

 

凪は古代朱”日朱”を探しにきていた。

 

 

いざなと凪は

欣吾に橋渡しを頼む文通を始めた。

文通はいざなに多くの情報を与えた。

 

 

恋心を募らせたいざなは、

ある日、山奥の泉で

朱壺を発見し、手に入れる。

 

 

ただ、朱壺のなかみを

渡そうとして凪と浪乃が

出来ている事を知り、

絶望に陥る。

 

 

その年、千草が入院した。

 

 

数ヶ月後、

「死ぬため」に、村へ戻ってきた千草。

こっそりと見舞いに訪れるいざな。

 

 

千草は最後のおしゃべりのあと、眠りに落ちる。

いざなは、朱のもつ呪力を信じ、

眠る千草に口づけをした。

いざなの生命力が千草にそそぎますように、と。

――そして、顔と声とが入れ替わることを知ってしまう。

 

 

その冬、千草は死んだ。

 

 

そして大晦日。

 

 

いざなは浪乃を殺し、顔を奪う。

忍んで来ていた凪に抱かれ、

彼を村から逃がした。

 

 

浪乃のふりをして神楽を舞ういざな。

その女性に目を奪われる欣吾。

 

 

神事のあと、

神社では

直会の準備が進んでいた。

 

 

そして欣吾は、

父がその隙を突いて

浪乃(いざな)を犯しているのを見る。

 

 

思わず父を殺す欣吾。

いざなは、お前は悪くない、と慰める。

 

 

直会で出す「ご神水」に

いざなは毒を仕込んでた。

次々と倒れる村民たち。

立ち去るいざな。

 

 

欣吾はいざなを追ったが、

睡眠薬を飲まされて

意識を失った。

 

 

いざなは自分の隠れ住んだ小屋と

神社に火をつけて逃走。

手には浪乃の生首を持っていた。

 

 

病院で目を覚ました欣吾は

「惨劇の生き残り」となっていた。

その後、羽生田家に引き取られる。

 

 

感想

予想外に読みやすかったです。

ごくごく普通の文章でした。

奇をてらわないのが逆に助かる…。

 

 

ただ、物足りない…!

濃度がばらばらというか。

 

 

凪と与の関係も、

羽生田がやらかしたなにか

まだ内緒だったとは…!

 

 

でも、いざなの心理、

とくに千草への思慕や

閉じ込められていた頃の

幸せな感じ、

凪とのアレコレは、

得がたい情報でした。

 

補足

作者は「累」の作者である

松浦だるま先生。

 

 

星海社FICTIONSから出ています。

書き下ろしだそうです。

 

 

しかも綾辻行人先生から

推薦文をいただいたとのこと。

『誘(いざな)』に寄せて
漫画『累(かさね)』で

話題沸騰(確かに面白い!)の松浦だるま氏だが、

このたび小説『誘(いざな)』の原稿を読み、

驚きを禁じえなかった。

 

もちろん嬉しい驚きである。

 

漫画家離れした本格的な文章力

(と書くと漫画家さん全般に失礼だけれど)で

描かれる『累』の前日譚――

 

「誘」の禁断の秘話は、

伝奇ミステリとホラーの美味しさを

しっかりと兼ね備えつつ、

凄絶な“結末”と“未来”に向けて突き進む。

 

お見事、である。

――綾辻行人

→星海社FICTIONSの編集部ブログ