累 いざな ネタバレ 5 【穏やかな老婆の遺言が、狂気のトリガーとなる残酷さに絶句する】

こんにちは、ちどりです。

今日は、「累」の前日譚である

「誘」の第5章『千草』の紹介です。

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あらすじ

 

千草は欣吾といざなを呼び寄せました。

そして入院することを伝えます。

 

不幸なこととは、

連なって一度に訪れるものなのだろうか。

凪も千草も欣吾も朱磐も、

私の手にはつかめないまま擦りぬけてゆく。

 

私には、誰のためにもなれない

重い身体が残るのみだ。

 

 

千草がいないことにより、

虚無感におそわれ、

抜け殻のように日々を過ごすいざな。

 

 

晩秋、入院から帰ってきた千草が、

欣吾をいざなのもとによこしました。

 

 

今夜だけは人がこないようにしているから、

いざなに来て欲しい、と――

 

 

訪れたいざなに、

千草は18年分の謝罪をしたい、と伝えます。

 

 

千草は昨年の冬、

槻笹江を見舞った際に、

いざなのについて聞いていました。

 

 

それは朱砂野の次男、柾でした。

 

 

朱砂野家の男は

槻家の娘が18になったとき

自由にして良い、という風習が

あったのです。

 

 

 

そして、それを聞いて

腹を立てた千草自身が、

風習をおそれて

いざなを隠し続けたこと、

実は雷雨に殺しかけたこと――

 

 

 

 

言葉をなくしたいざなに、

千草はかたりかけます。

 

…朱磐を、そして私を恨みなさい、いざな。

そしてこの土地を捨てるの。

もうあなたを縛るものは何も無いわ

 

 

そして千草は眠りにつきました。

 

 

いざなは、自分が

日紅をもってきたことを思い出します。

 

 

 

凪から、

「朱は血液と同じで、

生命の維持や回復

そして死者を蘇生する

ちからがあると信じられていた」と

聞いていたため、護符がわりに持ってきたのです。

 

 

日紅の巫女よろしく、

朱を千草の唇に塗り、

口づけをするいざな。

 

 

千草の唇が俄に柔らかみを帯びた。

気のせいではない確かな感触に

私は奇跡を期待し、

唇を話して彼女の顔を見た。

しかし、

「ひっ」

おもわず小さく悲鳴を上げてのけぞり、

背後の畳に手をつく。

 

それはまごうこと無き奇跡だった。

しかし私が望んだ奇跡とは

大きく異なる様相を呈していた。

 

 

「顔の交換」にすぎないとしり、

落胆するいざな。

千草の病気をもらったわけでもなく、

いざなの生命力を分けられたわけでもないのです。

 

 

混乱していたいざなですが、

もう一度口づけして、

千草に顔を返すことが出来ました。

 

 

 

そして迎えた冬。

とうとう千草が死にました。

 

 

 

いざなは欣吾から、

千草が村からつまはじきに

されていたことを聞きます。

 

 

新しく知った事実に、

小屋の中で激昂するいざな。

その目に、神楽の一節を

書いた紙が飛び込んできました。

 

 

読み返すとそこには…

なが女の御霊 鎮めんと

さく女の御霊 移りして

幾年月の 過ぎるとも

 

日朱のもゆるくちびるの

人にわざわうものたるや

 

ゆめゆめ忘ることなかれ

 

おながは

「おさくとして」

里におりたのだと知ったいざな。

 

笑い転げながら

いざなは、

自分の行くべき方向を

確信したのです。

 

 

感想

千草…!

生きていれば朱磐村事件は

別の形になったかもしれませんね。

 

 

千草大好きなんだなと

端々から感じて、

何度も泣きかけました…